メキシカンダンディパパの思考録

旅とフットボールとラーメンの人

父親の早すぎる死

大好きだった1人の稀有な芸術家が、今年3月末にこの世を旅立った。

 

……新田コージ。

 

まだ65歳、まさにここからというところだったのに。昨秋、ステージ4の下咽頭がんが発覚してからたったの半年間だったが、自分の信じた治療法で真っ向から立ち向かい、想像以上であろう痛みや苦しみに耐え、闘うその姿は、強さを感じさせるには十分だった。あの闘病を覚悟してできる人間は多くない。治ると信じていたからこそできた闘いだった。

 

亡くなる数週間前でさえ「この痛みや苦しみも全て良くなる前兆」「病気を乗り越えたらもっといい作品ができる」どこまでも前を向いていた。

 

釣り、山菜、きのこ採り、そして家の修繕。誰しもができないところで類まれなセンス、能力をいかんなく発揮していた。

 

「普通」「一般」「常識」という感覚を嫌い、独特で、人と違って、芯を持っていた、そんなところが好きだったし、尊敬していた。

 

長男である兄と、次女である妹が1日間に合わなかったのが心残りで仕方ない。それでも最期を家で看取れて、親父も本望だったし、やはり幸せなことだった。

 

「家で看取りたい」よく言うけれども、サポートする側がこれだけ大変で、簡単ではないことなんだって実感させてもらった。でも、だからこそ実際にその瞬間を迎えた数日後、いや数週間数ヶ月後に、本当にその選択をして良かったなと思えてくる。

 

「がん」、最期の予測ができる病気で、これだけ心の準備をしていても、キツイものはキツイな。そう考えたときに、周りにはもっともっと強い人間が沢山いるんだなって感じた。

 

親父の旅立ちは、銀座での自身の個展最終日。やることやりきったと思ってホッとしちゃったか?いやいや、まだまだやることあったぞ。1日中薪ストーブの前にいられる環境を作ってくれてたオカンへの恩返しをする前にいくな。

 

闘病期間中、ずっと親父のそばで最善のサポートをしてくれた母親と長女。関東から何度も何度も岩手に帰り、家族のサポートをしてくれた長男と次女。そして「1日早く帰ろう」って懇願し、死に目に合わせてくれた妻。全員に本当に感謝。ありがとう。

親父、家族っていいもんだな。ありがとう。

 

2018/8/17(金)〜8/30(木)

最後の(?)新田コージ展in新潟。

http://niigata-eya.jp/4575

 

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